孤独感から抜け出す方法
あなたは孤独を感じていますか?
それとも
繋がりを感じられていますか?
-人との関係-
アドラーは全ての人の悩みは
「人間関係」であると考えてました。
煩わしい人間関係の悩みから
解放される手っ取早い方法は
「人との関係を持たなければいい」のです。
しかし、
実際は、そう簡単にはいきません。
人と関係性を断ったり
人との距離を置き過ぎると
別の煩いが待っています。
「孤独」です。
数年前、
孤独の感覚が
人にもたらす精神的、肉体的
影響が発表されました。
その影響は
肥満の2倍、
一日に1箱のたばこを吸うことに匹敵し、
アルコール依存症の人より、
そして、
全く運動しない人より、
健康を害するというものです。
§§
たくさん人がいる中で
「孤独」を感じる理由
私も経験がありました。
若き頃の
「一人でいられない病」
どこかへ行くとき、
何かをするとき、
一人では行けなくて、
必ず誰かを誘うという行動。
学生の頃は、トイレに行こうと、誘う。
お昼を食べる時は、一人にならないようにする。
下校の時も、誰かと一緒に、帰る約束をする。
などです。
休みの日、一人で居られず、
誰かと何かの予定を
無理やり入れることも
多々ありました。
本当は一人が楽なのに、
一人が嫌。
そんな矛盾な状態です。
そんな時、
林 真理子さんの
「一人で居られない人は、愛する人と一緒に過ごすことができない」
「一人でいることのできない女は自立できない」
という言葉を知りました。
§§
「こんなところに日本人」
というテレビ番組、
ご存じの方もいらっしゃると思います。
異国の遠い土地で、
たった一人の日本人の姿を
見る事ができます。
その地で働く姿や
頑張っているのを見ると
「崇高さ」を感じずにはいられません。
尊敬一直線のまなざしです。
§§
単独でいる人は自己価値を知っている
自己肯定感
自己受容感が強い人
心理学でマズローの5段階欲求というものがあります。
人の本質的な欲求を表したものです。
私が行う心理学セミナーの中では
非常に重要なので説明することが多い内容です。
まず、第一段階は
命を守る「生理的欲求」です。
食べること、そして眠ることなど、
生きることに対する必要な欲求です。
その次の第二段階は
「安全欲求」です。
安全な場所があるということ
雨をしのげ、
安心して眠れる場所があるということです。
最低限、自分の衣食住が確保されることです。
次に、
第三段階の
「集団と所属の欲求」です。
世界は「共創」です。
自分ひとりで生きていくことはできず、
誰かを必要とします。
「仲間」や「集団」を必要とし欲するのです。
子供は、
いずれ社会で役に立つため、
人慣れするため
まず、小さなコミュニテイを経験していきます。
一番小さなコミュニテイは「家庭」
そして、
通常ならば
保育園、小学校、中学校、高校などの
コミュニテイを経験していきます。
しかし、今の時代
この過程で、
リタイアする子供が多くなっています。
「引きこもり」「不登校」の問題です。
人の大切な欲求を満たすはずが
「所属」の欲求を満たせない人が
多くなっているのです。
大きな理由の一つは、
健全で無い「家庭」です。
これは何かというと
子供以前に、
大人の「ご両親」が
家族以外の人との繋がりを
持てなくなっていること、
関係を築けなくなっているのです。
5パターンを説明します。
§§
一つ目は、
「私だけ」が良ければ、
「私の家族だけ」が良ければ、
という考え方が強いことです。
家族に意識が多く生きがちな親は、
無趣味な人が多いです。
安全思考も高いこともあります。
「楽しみ」が無いので、
自分の情熱や熱意、
愛や思いやりの対象が子供にいきやすくなります。
このことが子供にとって負担となります。
親に「楽しみ」があれば、
「趣味のコミュニテイ」に参加し
家族以外の関係性を拡げることができます。
仕事以外の場で、
自分の価値観を楽しむことができることは
親にとってもストレス発散になります。
しかし、「楽しみ」がなければ、
共通の価値観を持っている人たちとの
つながりが持てません。
大人になってからは
特に家庭を持ってしまうと
新しい関係を築くことが難しくなります。
この状態が続くと
子供は、
他の人との助け合いを
親の生き方から学べず、実感できません。
二つ目は、
両親が、わがまま、利己的な場合です。
「自分の考え方が正しい」、と強く思い、
他人の助言や言葉を一切否定してしまうことです。
いつの間にか
周りから距離を置かれ
孤立してしまいます。
子供の声も一切聞かずに、
親の意見だけを
押し通してしまったり
考え方に固執すると
子供自身が「想い」を告げる場がなく
家庭内で孤立してしまいます。
そして子供は
他者から受け入れられるということを
家庭で学べず、成長してしまうことになります。
三つ目は、
親自身が成長出来てない
(インナーチャイルド的問題)
過去の傷ついた人間関係の経験から、
極度に人を避けたり、
信用せず、
距離を置くタイプです。
表面上は常識のある振る舞いをするので
嫌われることは無いですが、
孤独を感じている人が多いです。
普段は明るくふるまっていますが、
心では、ネガテイブに物事をとらえています。
四つ目は、
家庭内での虐待です。
(この内容は推測もつくと思いますので、割愛します。)
五つ目は、
親の過干渉です。
(この内容も非常に長くなりますので、割愛します。)
★★
大人は日常の人間関係で、
何かあれば、
ある程度繕うことができますが、
子供は人との距離間が不安定です。
ゆえに経験が少ないですので
「本音と建て前」を
上手くこなすことができません。
結果、方法が分からず、
嫌になり、疲れてしまい、
どうしようもなくなってしまいます。
日常のご両親の「他人と関係性」が、
子供を通し、
学校という小さなコミュニテイで
映し出されていきます。
そして、
次は、第四段階の
「承認欲求」です。
この承認欲求の位置で、
多くの人は苦しむことになります。
人の多くは、
自分自身を「特別」でありたいと思っています。
他の人に認められないという日常があれば、
自己バランスを失ってしまいます。
「他者との競争」
「比較」
「マウンテイング」
「自己無価感」
「自尊心の低下」を
引き起こして、
人間関係のトラブルを
経験するようになります。
第五段階の
「自己実現欲求」というのは
このすべての欲求が満たされて
達成できるのです。
§§
他人に認められなくても
自分自身で承認していくこと。
自己肯定、自己受容が
土台となっているので
他人からの評価や状態に
右往左往させられることが少なくなります。
しかし、これには条件があります。
とても大切なのは、
心で誰かとつながっているという感覚を
持っていることです。
恋愛関係中は、
この感覚を持つことができます。
好きな人と相思相愛の時は
「勇気」の状態でもあります。
他の人の言葉や、評価、批判を受けても
愛する人を想う気持ちの方が強く
「愛」が心を満たしているのです。
★★
「無条件で受け止めてくれる存在」
自分が「ダメ」だと思う時、
自分が「嫌い」だと思う時、
「無条件で受け止めてくれる存在」を
持っている状態は
本当に心強いのです。
愛されれば人は癒され
愛すれば人は強くなる
孔子の言葉
本来は、「両親」や「家族」であるべきなのですが、
そうでない場合は、「恩師」や「友人」となります。
そういう人もいないという人は、
「思想」や「哲学」を学んだり、
「神様」「神仏」の宗教などに属することで、
保つことができます。
そして、もうひとつは、
新たな関係性を構築していくことです。
今までのあなたを知っている人は、
すでにあなたに対してのイメージを抱いています。
そのイメージを払拭することはとても難しいのです。
一人、友人をイメージしてみて下さい。
その人はどんな人でしょうか?
「いつも優しい」「忙しい人」
「料理が上手い人」「人見知りな人」など
色々な感覚があり、
イメージがあると思います。
今までのイメージがあると、
それが先行してしまいます。
福沢諭吉は、
「親友を作るのではなくて、
新友を作りなさい」
と伝えていました。
あなたに対して、
今までのイメージを崩す
新たな出会いは、
とても幸運となる場合があります。
§§
『孤独感を感じてしまう理由』
お分かりと思いますが、
「繋がり」を感じれないからです。
乾いていて、満たされてないからです。
人恋しくて
沢山の人がいる
スーパーや
百貨店に足を運ぶ。
しかし、
心は誰とも繋がっていないという感覚、
それは、まるで
無人島に一人でいるような感覚です。
膨大な海水という水があるのに、
あなたの
乾ききった、身体を潤す「真水」が無い、
そんな感覚です。
自分だけのことを考え
自分中心に物事をずっと考えていたら
ある時、突然「孤独感」が増していきます。
§§
色々な方と会う中、
セッションをしていて、
私が思うのは、
結局、人は、
繋がりを求めているのです。
沢山の人に愛された
マザー・テレサも、
「いつも孤独を感じていました」
と、日記に綴っています。
どんな人も
孤独感を持っています。
そして、
家族、友人、知人も
あなたが時に感じる
「孤独」があると分かれば
自然に
親切に
できるようになるのではないでしょうか。
一人ひとりと会う度に、
親切心を抱いていくことで、
心の繋がりを実感できるように思います。
一期一会という言葉もあります。
この3月、
別れの季節でもあり、
同時に、
新しい出会いの季節でもあります。
心の「孤独」から脱出するために、
あたたかい「繋がり」を
自ら実践し、感じて過ごしてみては
いかがでしょうか?
いつもご覧いただきありがとうございます。