第27回
経験と自信が目標達成を邪魔するとは?
(逆説的な考え方から気づくこと)
9月に入りましたね
読書の秋、食欲の秋、
これからがとても好きな季節に入ります
いかがお過ごしでしょうか?
今日は、前回からの続きで
目標を達成しにくい人の特徴(逆説的な考え方)
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広い人脈を持っている人
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知識や経験を豊富にもっている人
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自分のこれまでの実績に自信がある人(自己肯定感の高い人)
①については8月1日発送、第26回目のメルマガでお伝えしました。
今回は②、③についての考え方について焦点をおいて書いてみます。
早速ですが、みなさんは知識や経験が無いから、
学んだり、経験を積もうとしますよね?
そして、「知識」の収集に走ったりする事があるのではないでしょうか?
② 知識も経験も無い方が良い理由
子供は、「ブランコに乗りたい」と思ったら躊躇せず、まっさきにブランコに向かい乗るでしょう。
しかし大人になった今、「ブランコに乗りたい」と考えても、子供がいたら、子供が乗りたがっていたら、ブランコを譲ったりするのではないでしょうか?
頭の中では、「ブランコに乗るは恥ずかしい」「子供を優先するべきだ」「大人だから」「人目が気になるから」等の言葉が聞こえているかもしれませんね。
目標を持っていて、チャレンジしようとする時、様々な経験や情報から成長していると、『常識』や『ルール』『モラル』などが、自動的に思い出され、実際にはなかなか思っても出来ない事があると思います。
『~すべき』だ。 『~は自分らしくない』『ここではこうする方が良い』が
頭の中で動き始めます。
ある意味、「経験」「知識」が無い、つまり『無知』であるということは、ある意味ラッキーなのかもしれません。
子供の頃は「あれはダメ、これは良い」の知識が無く、ただ好奇心を大切にしている無意識の状態なので、素直に行動ができ、本当の意味での「体験」につながり、自分のものにしていきます。
一旦、無知を受け入れ、無邪気に『したい事をする』状態を維持出来れば
すんなり『わくわく感』、好奇心を楽しめるとも言えるでしょう。
そうは言っても、成長と共に大人になると色々な事が絡み合い、「好き勝手」は出ないと考える方が多いかもしれません。
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フォーカスする位置を変えてみる
椅子を作りたいとイメージし、造る段階において、道具として、「のこぎり」や「とんかち」のツールを使いますが、使う段階において、注意をしなければなりません。
しかしその際、危険性について焦点をあて、教えると、意識が危険性に向く可能性があり逆にケガをしたりする事も多いのです。
正しい持ち方、使い方にフォーカスさせていくと逆にケガを避ける事ができます。
しかし、いくら正しい使い方を伝えても、
本当の意味で知る(使いこなす)には「体験」「経験」が必要になります。
人が最も恐れている事は何かをして「失敗」や「恥」を経験する事だと思いますが、
先にそれらを考えて(フォーカス)しまうと、目標を達成すると掲げても難しくなります。
何かを始める時は、まっさらな状態、つまり知識も経験もない状態で体験を積んで行く事で
より自分の力となります。
もう、大人になり、様々な経験をしている私達には逆に「まっさら」になることが
難しくなってきます。「知っている」ことを一旦脇においておき、接する事で状態が変わってきます。意識して「リセット」し、柔軟性を持って行動していくことで新たな側面に気づくことが可能になります。
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『褒められる心地良さ』と「承認欲求」
では次に、経験した中での実績がある、つまり成功体験がある人についてです。
③ 自分のこれまでの実績に自信がある人とは?
(成功体験がある人/自己肯定感が高い人)
これは実験データがあります。
子供達を2つのグループに分け行いました。
算数の問題をそれぞれのグループに分け行わせた実験です。
一つ目のグループには「良くできたね!」「すごい!」「さすが!」と周りに褒めさせていきます。
このグループの子供は「出来た」「認められた」という実績がうまれます。
そして、二つ目のグループの子供達には何も言わず、問題に向かわせます。
このグループには出来た事に対して全くの称賛、褒め言葉は使用しませんでした。
そして次の段階は
2つのグループに同じ「難しい問題」を与えます。
一つ目のグループの子供達はチャレンジをするのを諦める子が大半でした。
二つ目のグループは出来る、出来ないかではなく、チャレンジしたのです。
褒められた子は、「出来ないと褒められない」という事を知っているので、
チャレンジをするという選択をあきらめたのです。
「周りに認められた」という「心地良かった」それらの経験が、
その人の成功体験となり「自己肯定感」に繋がっていきます。
自分の中の「出来ない」という思いが強くなるのは、「周りに認められないと意味がない」
つまり、認められた経験から、「出来た時」の成功体験が「認められないのを避ける為」に邪魔をするという事実があり、
チャレンジすると失敗して、認められない、褒められないと、恥をかく、という自分の望む結果と別の経験がデメリットとなり、なかなか前に進めなくなり、安易なものしか(出来るもの)しかチャレンジしなくなります。
恋愛関係に置いても、以前、上手くいった結果があり、
上手く行った過去のものに固執してしまうと
「~じゃないと無理」とか、「~だからできなかった」と、言い訳しはじめ、
自分を正当化していきます。
逆説的な考え方から言うと
知識や経験があればあるほど、新しい場所へ行くことや、新しい経験を阻んでしまう
つまり、成功体験や過去の「心地良かった」経験、実績が自分の未来を狭めているという事になります。
そして、承認欲求が非常に強い人は
いくら良い事をしても感謝の言葉が無かったり、敬意を表してもらえないと
「私はこんなに頑張っているのに・・」
「私はあの人に○○をしてあげたのに・・」
「あの人は私が大変だったのに全く御礼も言わない、感謝も無い・・」
となり、嫌気が差したり、逆に交友関係を狭めてしまっている事になります。
偏った自己肯定感(私は褒められる、認められるべき人)が強い人の特徴にも感じます。
本来の自己肯定感が強いという意味は
誰が何を言っても、言わなくても
「ありのまま」の自分自身でいる事に対し
自然な感覚が備わっている状態なので
他人の承認にいちいち振り回されないと言えるでしょう。
昭和の時代のたくさんの本に『子供をよく褒めなさい』と教えていたようですが、
今、多く本に書かれているのは、「褒めるより、受け止める、考えさせる」という考え方の方を推奨しているものが多くあると思います。
謙虚さと柔軟性
根拠のない自信は、「逆にいうと、本物」ということになりえるかもしれません。
今、自分の状態にOKを出している、または、根拠がないけど前に進むという事は、
身体も心も「今」と繋がっていて、過去の実績、
成功体験にこだわらず、一から始めるというスタンスだと動きやすい状態だからです。
自己肯定感「自分は正しい、間違ってない」「自分は今の自分で良い」
「私はこれでいい、前も上手く行った」「私は素晴らしい」などの肯定も
もちろん非常に大切です。
しかし、もし
今の自分に何か物足りなさを感じていたり、
自分の人生に不満足感を感じて、また、今以上により成長したいのではれば、
一旦は、
自分の考え方、正しさ
やり方を疑ってみる必要性があるかもしれません。
「自己肯定感」、「自分らしいから私はこれで良い」という考え方を
一旦、脇においておくことであらたな経験を得る事が可能になります。
もちろん、今、充分満ち足りて、幸せならばそのままの状態を保っても良いでしょう。
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「人の意見は40まで」ということわざがあります。
この意味は
40歳位まで生きていると素直さと謙虚さと柔軟性が消えていき、それまで出来た「実績」「成功」「心地良かった感覚」が、その人の中の人格として現れ、「頑固さ」が増していきます。 他の意見を受け入れる事が難しくなります。
あなたの身近なところでも、純粋な思いやりを持って意見を伝えても、
『頑固』にご自身の主張をされる方いるのではないでしょうか?
逆に、40歳を過ぎても、良い意見があれば、
率先して試してみる人もいるのではないでしょうか?
どちらの方が「幸せそうでしょうか?」「イキイキしていますか?」
肩書、過去の経歴や成功体験も大切にしながらも、
それにあまり執着するのではなく、柔軟に受け入れ、魅力あるものに対しては素直に受け入れ、新しい事(考え方、物)を自分の世界観に取り入れていくことでより良く変化し、
より楽しい人生になっていくのだと思います。
一旦自分のこだわりの「こうだ!」という経験を手放し、
「より良くなる為には?」と自問自答し、
少しずつ自分の為に前に進む行動を優先されると良いかもしれません。
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徳川家康は論語を学び、常に自己を振り返り
自分の成功体験ではなく
未来に必要な事を見据える為に学び、他の意見を聞き入れていたと言われています。
家康は順風満帆であればある時こそ、足元を見ていく事を大切にしていたと思われます。
家康は「万全、絶頂の時から衰退が始まっている」といい
周り全てが賛同する、承認する、また自分の過去の成功体験、偉業は
すでに過ぎ去った過去のものと考え次の状態へ向けて地に足をしっかりつける、
と戒めていたそうです。
いずれにしても、自らが成長する為、目標を手にいれる為に
必要な事を選択出来る自分を常に意識したいですね
この9月もより素敵な月となりますように
本日もご覧いただきありがとうございます。